ペルソナ4 張り巡らされる幾重もの伏線

アトラスの作ったRPG、P4ことペルソナ4。
ゲームシステム、音楽、ゲームバランス(エキスパート時)全てが個人的なツボにヒットし(1 more)、昨年唯一クリアまでやったゲームだ。*1
P4の素晴らしい戦闘システムや、洒落た音楽、個々のイベントの面白さについては様々な媒体に書かれているので、此処ではP4の舞台装置とその伏線について書いてみる。

ペルソナ4

ペルソナ4



「絆」RPG

P3とP4は「絆」をメインテーマの1つとして持つ。主人公は、ダンジョン探索を行う非日常と、普通の学校生活を送る日常のバランスを取りながら1年間の生活を行う。日常生活では、様々な人間と「絆」を結び、それを育てていくことで主人公の心の力、ペルソナを強くすることができる(=ダンジョン探索が有利に進む)。また、P4では仲間との「絆」が強くなることで、戦闘中に身代わりになってくれるなどの補佐を行ってくれるようになる。
この「絆」を強めること自体、ゲームとして面白いのだが、1年間で育ててきた「絆」が最後の戦いに利いてくるという(ありがちな)展開は思わずグッとくる。


見たい、見られたい、見られたくない

P4の世界は、【見る】ということに全ての要素が関わっている。

  • 主人公達の街は原因不明の「霧」に包まれ、周りをよく【見る】ことができない。
  • 雨の夜にだけ【見る】ことのできる「マヨナカテレビ」には、誰かの【見られたくない】姿が映っている。
  • テレビの中に入った主人公達は「メガネ」を着けることで周りを【見る】ことができるようになる。
  • 【見る】道具である「メガネ」はペルソナ召還モーションで強調される。
  • 主人公達は「連続殺人事件」の真相を【見通そう】とする。

こういった主な要素の他にも、各登場人物(脇役を含め)が【見る】ことにリンクしていることが多い(また、マヨナカテレビについては更に【見る】こととのリンクがある)。主人公は1年の学生生活の間、只管に【見る】ことに関わって暮らしていくのだ。

そして

【見る】という伏線を幾重にも張り巡らせた上で、主人公の最後の召還モーションは、もう一つのテーマである「絆」と相まって、とても深いカタルシスとなる。

*1:最近歳を取ったのかRPGは辛い。