Googleブック検索で新書を読んでみた

結構話題になっていた、Googleによる本の電子登録。いつの間にか使えるようになってたんですね。ゴールデンタイムズさんの記事で知ったんですが。

(  д )         ゚ ゚ ポーン
全文読めちょる。


とまあ大袈裟に書くとあれですが、一応「部分プレビュー」ということになっていて見れないページもあります
ただ読む上でほとんど障害のないレベルの公開。

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/goldennews/51244143

ということなので、新書を一つ読んでみました。

読んだ本

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)

好きな小説家の一人、平野啓一郎さんが書いたこの本を読んでみました。Googleブック検索へのリンクはこちら:本の読み方スロー・リーディングの実践 - 平野啓一郎 - Google ブックス


内容は、速読して本を消費していくのではなく、一つ一つの読書の質を上げていこうよ、という内容です。以下の文にそれが良く現れていると思います。

「オレは本を何百冊読んだ!」と言っても、「で?」と笑われるのがオチだ。しかし、「オレはあの本のあの一節にメチャクチャ感動した!」と言うのは、単純にカッコイイし、その人の人間性について、多くを伝えてくれるだろう。(35p)

あえてこの本をブック検索で読んでみようと。

本表示画面の使いやすさ

元エントリーの方もおっしゃっている通り、非常に読みやすいです。特に複数ページ読む場合は、全体化した後、縮小を2回押すと読みやすいです。
ただ、引用をする方法は見つかりませんで、上の引用文も全部手打ちです。ここはちょっと意外だったかな。

読める領域と読む意味

この本は全部で225ページです。そのうち、19ページ以前の「序」と73ページ以降は読めませんでした。また、20-72ページの間でも、24-25,31-32,38-39,45-46,52-53,63,67,70ページは抜けていました(参照:How to use Google Books - Google Search Help)。前後を抜いた読める領域内でも、大体3/4くらいが読めるという感じでしょうか。
この本ではかなり多くの前後部分が欠失していますが、全体的に残っている本も結構あるみたいです。ただ、その場合も途中に抜けているページは多いみたいです。


もちろん間が抜けていても、大体の本の内容はつかめますが、自分の考えで本を構築するところが多くなってしまい、結局あまり読書の意味がないように思います。

読者はそのとき、作者の言わんとするところを理解するのではなく、単に自分自身の心の中をそこに映し出しているに過ぎない。そうした読書の仕方では、多く本を読めば読むほど、自分の偏ったものの見方が反復され、視野が広がるどころか、ますます狭い考えへと偏っていくだろう。(42-43p)

という本書内での速読への批判がそのまま通用します。


技術書のような辞書代わりに使う本はどうなのか分かりませんが、少なくとも何かを伝える本は矢張り実物を買うに限るようです。そして、その本を探すのにgoogle book検索が使えるようになる日が来るのかもしれません。