男の子してるなーと思ったこと

今日もいつもみたく街をぶらぶらと徘徊した。僕の移動速度は牛くらいなので、散歩中はいつもたくさんの人に追い抜かされる。子供連れのお母さんや、学校帰りの学生や、おじいちゃんおばあちゃんのカップル。みんなするすると僕を追い抜いていく。だから僕はなるべく広い道を歩くことにしている。
今日は高校生くらいの男の子たち3人組が僕の横を通り過ぎていった。男の子たちはみんな私服だったんだけど、まぁ特に体が大きいとかそういうこともなく、至って普通の高校生って感じだった。別に髪を染めているでもなく、どっちかっていうと大人しめなくらいだった。3人は特に騒いだりするでもなく、静かに僕の隣を通っていった。この3人の関係がちょっと面白かった。
そのとき僕が歩いていたところは、自転車に乗ったままの通行はダメなところだった。この区間を通るときは自転車から降りて引いて通行してくださいね、ってところだ。まぁそれでも短い区間だし面倒だから自転車に乗ったまま通行しちゃう人ってのは結構居る。
男の子たちは3人とも自転車を持っていた。んで、2人はやっぱり自転車に乗ったまま通行していた。うん、わざわざ自転車から降りて引いて歩いたりするのはカッコ悪ぃ、と思うんだろうなー。でも、残りの1人は自転車を引いて歩きながら通行していた。
また、自転車に乗った男の子2人はタバコを吸っていた。僕の住んでいる地域は路上喫煙禁止だし、何より男の子たちはどう見ても未成年だ。背伸びしたい年頃なんだろうなーと、殆ど口に含まれることも無く短くなっていくタバコを見ながら僕は思った。でもやっぱり、自転車をひいている子はタバコを吸ってもいなかった。
自転車を引いていた子は、たぶん自分の正義を貫きたいのだと思う。通行ルールを守ること、喫煙をしないこと。でも、その思想を仲間に強要したりしない。翻って、自転車に乗っていた2人は、ちょっとワルい自分でありたいのかなと思う。でも、やっぱりそのスタイルを仲間に強要するわけでもない。
ただ、2人は自転車を引く仲間の歩調にあわせて、ゆっくりと自転車を漕いでいた。
なんていうか、男の子してるなーと思った。
自転車乗車不可区間の終点である三叉路まで行くと、タバコを吸っていなかった子が自転車にまたがり、「じゃあな」「あぁ」「またな」って簡単な挨拶をして別れた。自転車のペダルを強く踏んで、3人ともあっという間に視界から居なくなった。