無駄を省くこと

アメリカで11歳で大学を卒業した少年の一言がちょっとした話題になっているみたいです。

テレビゲームをプレイするのは、人類にとってなんの助けにもならないので時間の無駄だと感じます。

11歳で大学を卒業したアメリカの天才少年 「テレビゲームは時間の無駄」 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

無駄とはなんでしょう。
僕は、無駄とは「何か目的を達成するために不必要なもの」だと思います。そして、達成しようとする目的は人によっても違うでしょうし、目的達成の為の道程もたぶん人によって違うと思います。もっと言ってしまえば、同じ人だって時によって目的やそこへの道程は変化するものでしょう。
ですから、この子が人類のために無駄だと思うなら、それはこの子なりに目的とそこへの道のりを考えた結果のものだと思うんですけど、なんだかこの記事の書き方だと全ての人にとって無駄だと言っているようでちょっと不思議ですね*1

無駄を無駄だと判断するのは難しい

さて、前置きはここまでとして、もうちょっと無駄について考えてみましょう。無駄とは「目的達成のために不必要なもの」であると定義しましたが、無駄であるものを見極めるのは中々難しいものです。幾つか無駄だと思っていたら、実は重要だった例を挙げます。
例えば、お茶汲みOLが退社したら会社がうまく回らなくなったという話があるらしいです。お茶くみOLというと、どうもあまり会社に必要な人材じゃない無駄なもののように思えます。けれども、机を綺麗にしたり、毎朝みんなの顔色をチェックしたりする、その人の気遣いが会社全体のやる気に影響していたようで、彼女がいなくなった後の会社が機能しなくなったというような話です。事実かどうかは不明ですが。
もう一つ例を挙げると、ちょっと長いですが読み易いエントリとして流通の中間を省くことによってコストダウンを図ることにはデメリットがあるという内容のエントリがあります。このエントリでは、問屋などを通す無駄を省くことで低価格化を図った結果、予想していなかった2つの問題が生じたとしています。*2
他の例としては、ちょっと毛色の違うものとして、縄文の生活に関するこのエントリも、無駄を考える上で面白いと思います。長くなってきたので詳細は省かせて頂きます。
このように明らかに無駄に見えるものが本当に無駄であるかどうかは分からないことが、無駄なものを見極めることが難しい理由(の一つ)です。

じゃあどうすればいいの?

かといって、無駄なものを決められなかったら、何も捨てることが出来ません。何も捨てなければ、何かを得ることも出来ません。ですから、何か捨てるもの=無駄なものを決めなくてはいけません。ということで暫定的に無駄かどうかを判断するときに考えるべき3点を挙げてみます。
1.捨てることのデメリットを捻り出す。無駄なものとは言え、何かを捨てるんですから何かしらの悪影響は出ます。すぐに思いつかなくても頑張って、一つ捻り出してみましょう。少なくとも何か問題が生じることを意識しておくだけで、他の問題が出ても柔軟な対応が出来る可能性はあがると思います。
2.経験者の話を聞く。誰かそれを捨てたことのある人がいたら話を聞いてみましょう。特に自分の目的と相手の目的が近い場合は有効でしょう。捨てて良いかどうかの参考になる筈です。先達はあらまほしき事なり。
3.まぁ取り合えず捨ててみる。最終的にはこれですね。取り合えず捨ててみる。考えるだけ考えた結果、よくわからないから捨てないよりも、取り合えず捨てて行動してみた方がきっと良いでしょう。まぁどうにかなりますよ。たぶん。
丸投げな結論ですが、無駄って言う前に少し考えてもいいかもね、という話でした。今回は無駄に長かったですね。

*1:本人がそういったのかな?動画見てません

*2:まず、流通経路の末端で製造をしていた職人さんたちが、マーケティングなどの今まで問屋がやっていたことをやらなくてはならなくなり、全てをこなせる一部の人たちしか生きていけなくなること。次に、景気の上下動の緩衝材として働いていた問屋が無くなることで、景気のあおりを資本の少ない末端がモロに受けてしまうこと、を挙げています。